これからロボットAIの学習環境を用意する、
企業の担当者・研究者・エンジニア向け

ロボットAIの
学習用GPU、
買うか借りるか

買う前に借りて、実際に学習させました。見積書と、利用明細を並べます。実費と計算機で、自分の場合どちらが合うかを決められる導入ガイドです。

見積書買わなかった

自作の学習用 Linux PC(2026年7月に検討した構成)

GPU
RTX 5080 16GB

学習に要るGPUメモリの目安(22.5GB超)に届かない

CPU
Ryzen 9 9950X
メモリ・電源
64〜128GB・1000W級
合計(概算)¥750,000
およそ1/160
利用明細実費

Runpod A40 48GB / 2026年10月 / 記録のある7回

  • 推論を初めて動かす¥54
  • GPUメモリを測る¥81
  • 試しに200ステップ学習¥95
  • 2,000ステップ学習¥1,153
  • 実機で推論+追加学習¥1,422
  • 4,000ステップ学習し直し¥861
  • 4,000ステップ学習¥1,011
合計¥4,677

3つの数字で、先に結論

22.5GB超

GPUは、速さより先に
メモリの量で決まる

Physical Intelligence の π0.5 の追加学習は、公開コードの説明書の目安でGPU1枚に22.5GB超が要る。16GBのRTX 5080では届かない。

月180時間

これより使うなら、
買う方が安い

RTX 5090のPC(約124万円)を4年使う場合の目安。私たちがGPUを一番多く使う月でも約120時間なので、借りる方が安い。買うGPUと借りるGPUの速さの違いは測っていない。

約3割

借りた費用のうち、
置いていただけの分

借りる側の損は、使っていない時間の課金と、毎回の立ち上げ。学習のあと Pod を止めずに待っていた時間に払っていた。

比べているのは、機材とサービスの料金だけです。人の作業時間は入れていません。借りる側は Runpod の場合で、国内・円建てのクラウド(さくらインターネットの高火力など)や、中古のGPU・今あるPCへの増設は比べていません。

最初に決めるのは、GPUのメモリが足りるか

AIの学習では、モデルと計算途中のデータをGPUのメモリに載せます。足りなければ、学習は始まりません。

Physical Intelligence 社のロボット用AIモデル π0.5 は、カメラの画像と指示の文から、アームを動かします。その LoRA学習(一部だけ学習し直す方法)には、GPU1枚に22.5GB超が要ります。

計画したRTX 5080は16GBで届きません。24GB以上は、買うと約100万円から。借りれば、48GBのA40が1時間約93円です。

破線は、選んだ用途に要るGPUメモリ。斜線は足りないGPU、灰色は買うGPU(価格.comの単体最安)、黒は借りるGPU、橙は実際に借りたGPU(Runpod の1時間あたり・Secure Cloud)。

記録のある7回で約4,700円。
3割は使っていない時間の分だった

¥4,677

Runpod の A40(48GB)を借りた、記録のある7回のGPU代

作業していた時間 約3,300円置いていた時間 約1,400円

作業していた時間何もせずに置いていた時間
合計(記録のある回)うち置いていた分 約1,400円¥4,677
この費用で学習させた π0.5 が、机の上のアーム(mechArm 270)で初めてブロックを箱に入れた回。横から撮った約3分20秒の動画です。この回の記録を読む
この金額で学習したAI

借りていた時間は記録のある回で約48時間、そのうち学習は、ログに残った時間の合計で約23.6時間でした(1ステップ6.5〜7.1秒)。置いていた約1,400円は、学習が終わってから実機の準備ができるまで、Podを止めずに待っていた分です。時間で払う以上、使わない時間にも料金はかかります。

買う方が安くなるのは、月に何時間使うときか

PCの価格を使う年数で割った1か月分と、借りた場合の1か月分を比べます。初期値は、このプロジェクトの実際の使い方です。機材とサービスの料金だけの比較で、人の作業時間は入れていません。

借りるGPUで換算。私たちが一番多く使う月で約120時間。720時間=毎日24時間
借りていた時間のうち、何もしていなかった割合。実績は約3割
借りるGPUの何倍か。私たちは測っていない(1倍=同じ時間で終わる前提)

借りる 1か月
買う 1か月(PC代+電気)
買う方が安くなる使用時間
計算式と前提
借りる(円/月)= 1時間の料金(円)× 使う時間 ÷(1 − 置く時間の割合)
買う(円/月) =(PC価格 − 売却額)÷(年数×12)+ 消費電力kW ×(使う時間 ÷ 速さ)× 電気単価
買う方が安くなる時間 = PC代の月額 ÷[1時間の料金 ÷(1 − 置く時間の割合)− 消費電力kW × 電気単価 ÷ 速さ]

・使う時間は、借りるGPUで同じ学習にかかる時間
・消費電力はPC全体の目安で、実測ではない(RTX 5090はGPUだけで575W)
・1時間の料金は、Runpod のドル建ての公開価格(秒単位で課金)に、Pod のディスク200GB(動いている間だけ課金)の分を足し、為替で円にした値。止めている間の保存料は入れていない
・RTX 5090 搭載BTOはドスパラの GALLERIA XPR7A-R59(2026年10月23日の価格)
・売却で戻る割合と電気単価は仮の値。自社の値に変えて使う
自社の台数・使い方で試算したい場合は、条件を送ってもらえれば計算します。 試算を相談する

買うと借りるを9項目で比べる

自宅に買う
項目
Runpod で借りる
75万〜124万円
はじめる費用
強い:約1,600円(10ドル)の入金から
買ったGPUで固定
使えるメモリ
強い:回ごとに16〜180GBから選べる
強い:電気代だけ(1時間約23円)
長く回すときの費用
A40で1時間約98円。止め忘れも課金
強い:電源を入れるだけ
すぐ使えるか
立ち上げ約1時間10分。空き待ちもある
強い:同じ机の上
ロボットとの距離
私たちの環境(秋田→米国)で往復0.6〜1.6秒
強い:社外に出さずに済む
データの扱い
社外に出してよいかの確認が要る。転送に時間がかかる
同じ部品を同じ値段でそろえにくい
他人が同じ環境を作れるか
強い:空きと地域の条件が合えば、同じGPUを借りられる
自分で持つ
置き場所・熱・故障
強い:持たない
強い:円
支払いの通貨
ドル建て。円の額は為替で変わる
5項目
強い項目の数
4項目

借りる側の弱い項目は、どれも実際に起きたことです。

約3割

使っていない時間の課金

学習が終わってから実機の準備ができるまで、Podを置いたままにした。

4時間20分

空き待ち

早朝にA40を予約したが、起動は11時前後。空いていたのは16GBのGPUだけだった。

1時間10分

毎回の立ち上げ

起動6分、ライブラリの導入約20分、学習済みモデルの送信約40分。

0.6〜1.6秒

往復の遅れ

秋田のMacから米国のデータセンターまで。1回目は準備で約55秒かかる。

予想と逆だったこと
借りた環境は、他人が再現できないと思っていた。

研究室を作り始めたときは、借りた環境は他人が再現できないと考えて、PCを自作するつもりでした。実際には、GPUの型番と手順を書いておけば、読んだ人は空きと地域の条件が合う限り、同じA40を1時間約93円で借りられます。

自作のPCは、同じ部品を同じ値段でそろえるのが難しくなっています。RTX 5090を積んだBTOの最安は、5月に約60万円だったものが、10月は約124万円です(同じ構成どうしの比較ではありません)。どちらの場合も、同じ結果にたどり着くには、コードの版・使ったライブラリ・学習の設定・データの記録が要ります。

あなたの場合はどちらか:4つの質問

答えを選ぶと、次の質問が出ます。最後に「借りる」「買う」「併用」「まず借りて測る」のどれが合うかを出します。使用時間の分かれ目は、上の計算機の条件に合わせて変わります。

借りるなら、最初に決めておく7つ

どれも、このプロジェクトで一度失敗したことです。

  1. 実機を動かす時間を決めてから Pod を作る置いていた時間の約1,400円は、これで払わずに済んだ。
  2. 作るときにSSHのポート(TCP 22)を開けておく後から開けると Pod が作り直され、準備が消えた。
  3. 止めるか削除するかを、保存料と作り直す手間で決める停止中もディスクの料金はかかる。作り直すと、私たちの場合は約1時間10分かかった。
  4. 削除の前に、モデルとログを手元へ届いたファイルが読み込めるかまで確かめる。サイズだけ見て、途中で切れたまま読み込んで失敗した。
  5. 学習は tmux の中で動かす手元のターミナルが固まっても、学習は止まらなかった。
  6. 学習した Pod で、そのまま推論するモデルの往復の転送(約1時間)がなくなる。
  7. GPUの型番・時間・費用を毎回書く書かなかった回は、合計に入れられなかった。

GPU代 ¥4,677 で、ここまで動いた。

次は、
あなたのロボットで。

台数・使い方・データの条件を送ってもらえれば、このページと同じ計算で、買う場合と借りる場合を並べてお返しします。学習環境の立ち上げの相談も受け付けています。

出典と記録