mechArm 270 Pi実機初動確認|MyCobot Python SDKとPower on over手順
LOG120R2R2R2026/3/31

mechArm 270 Pi実機初動確認|MyCobot Python SDKとPower on over手順

💡 Key Takeaway

mechArm 270-Piの初動作は、公式手順ではなく 500円のマウスとプリインストールのテストツールで達成された。 ドキュメントと実機の乖離(Ubuntu 18.04/20.04)を現場で読み解く力が、 Physical AI UXの実装では技術知識と同等に重要になる。

発生した問題

現場判断

結果

ElephantRobotics_AP が出ない

HDMIで直接起動確認

OS不一致を特定

Bluetooth入力が使えない

500円の有線マウスを調達

USB接続で即解決

VNC未整備

プリインストールツールを発見

Pythonパラメータ確認済み

mechArm 270-Piが初めて動いた。

セットアップを始めてから、いくつかの壁にぶつかった。でも結果として、想定外のルートで実機の初動作にたどり着いた。その一日を記録しておく。

ElephantRobotics_APが出てこない

まずVNC接続を試みた。

公式ドキュメントには「電源を入れてWiFiでElephantRobotics_APに接続し、VNC Viewerで10.42.0.1に繋ぐ」と書いてある。シンプルな手順のはずだった。

でもElephantRobotics_APがMacのWiFiリストに出てこない。2分待っても、再起動しても、出てこない。

HDMIモニターを別室から持ってきて繋いでみると、起動ログにこう書いてあった。

Ubuntu 18.04.2

ドキュメントには「Ubuntu 20.04が内蔵」と書いてあったのに、実際に入っていたのは18.04だった。Ubuntu 18.04はWiFiホットスポットがデフォルトでオフになっている。だからElephantRobotics_APが出てこなかった。

1,000円のマウスを買いに行った

デスクトップ画面は映っている。あとは入力デバイスがあれば操作できる。

手元にあるのはBluetoothのマウスとキーボードだけ。Bluetoothはペアリング設定なしでは繋がらない。キーボードは近くの店になかった。

有線マウスだけ近所のコメリで500円で買ってきた(さすがにキーボードは売っていなかった)

mechArm本体にUSBポートに差したら動いた。

デスクトップに「mecharm_270_test」があった

WiFiホットスポットを有効にしようとしてネットワーク設定を開いたとき、デスクトップにあるアイコンが目に入った。

mecharm_270_test

ダブルクリックしてみると、樹莓派版 Mecharm 測試工具というGUIツールが起動した。中国語のテストツールで、すでに以下の設定が入っていた。

串口:/dev/ttyAMA0
波特率:1000000

これはpymycobotのPI_PORTとPI_BAUDと全く同じ値だ。出荷時からPythonでの制御を前提にした設定が入っていた。

连接成功。Power on over.

「连接」(接続)ボタンをクリックした。

2022-10-13 14:35:07 连接成功!

接続成功。

「开始检测」(検出開始)を押すと、エラーが出た。

关节 [7] 无法通信!!!

関節7番と通信できない。でもmechArm 270は6軸のアームで、関節7はグリッパーを指している。グリッパーはまだ取り付けていない。正常なエラーだ。

「所有电机上电」(全モーター通電)をクリックした。

Power on over.

全モーターに通電が完了した。アームが手で動かせない固さになった。

そして「老化循环动作」の「开始」をクリックした。

アームが動いた。

実機初動作

6軸が順番に動いて、ループ動作を繰り返した。

シミュレーションでは何十回も見てきた動きが、今度は物理的に目の前で起きている。関節が動くたびにモーターの音がして、アームが空間の中で軌跡を描く。

動画を撮った。

わかったこと

セットアップの過程で、いくつかのことがわかった。

ハードウェア側:

  • Ubuntu 18.04が入っている(ドキュメントは20.04と記載)

  • VNCホットスポットはデフォルトオフ

  • 初期設定にはUSB有線の入力デバイスが必要

ソフトウェア側:

  • 出荷時点で/dev/ttyAMA0・1000000の設定済みテストツールが入っている

  • Pythonでの制御に必要な接続パラメータは確認済み

接続確認:

  • アームとPiの通信:正常

  • 全6軸の通電:正常

  • 関節7(グリッパー):未接続のためエラー(正常)

次のステップ

VNCを有効にしてMacからリモート操作できる環境を作るには、ターミナルでコマンドを打つ必要がある。そのためにUSB有線キーボードを発注した。

届いたら:

  • ターミナルからVNCホットスポットを有効化

  • pip install pymycobot --upgrade --user

  • PythonスクリプトからのAngle制御テスト

実機は動いた。次はPythonから動かす。

※ プロジェクト名「R2R2R」は、UC Berkeley・Toyota Research Instituteの研究「Real2Render2Real」(Yu, Fu et al., 2025)の概念に触発されています。現実空間をデジタルツイン化し、仮想空間での試行から得た知見を実世界のモーター駆動へ還元する——その設計と実装過程を毎日記録しています。技術アプローチおよび目的は独自のものです。