ハンコがそろうまでの2か月
■ ロボットの準備は、導入の準備の一部だった
新しい病棟にハコブくんを入れる打ち合わせで、ホワイトボードに6つの欄が並んだ。薬剤部・看護部・施設・情報システム・防火・医療安全。槙原さんは「ロボットの準備は、もう終わってます!」と言う。だがハンコは少しずつしか増えず、2か月たっても情報システムの欄だけが空いていた。充電されたまま、ハコブくんは廊下で待ち続けた。
■ どの部署も、止める理由を持っている
病院の搬送ロボットは、導入に最短でも4か月かかり、その大半はルートの設定と院内の調整に使われる。薬剤部は運ばない薬を、施設は充電の場所を、防火は止まってはいけない場所を決める。どれもロボットの性能では片づかない事柄だ。それぞれの部署がもっともな理由で待ったをかけるので、一つでも後回しになると全体が止まる。
■ 結論:決めることの一覧を、最初の日に配る
最後のハンコが押され、大城さんは「ロボットを運ぶ前に、みんなの都合を運んでたのね」と言う。白石さんは、次の病棟では6つの欄を最初の日に配ると決めた。何をどの部署が決めるのかを先に見せれば、各部署は同時に考え始められる。導入を速くするのは、ロボットの準備ではなく、了承をそろえる段取りである。
ロボットが走り出す日は、最後のハンコが決める。