MANGA EP03ハコブくん2026/4/26
第3話「最短ルートの罠」の表紙。松葉杖をついた岩田さんが目を見開いて驚いている。右側にハコブくんのディスプレイが「効率的搬送中(キリッ)」と表示されている。集中線が背景に広がる。 4コマ漫画。1コマ目:松葉杖の岩田さんが左から歩いてくる。右側からハコブくんが「最短ルート走行中」と表示しながら猛スピードで迫る。効果音「シュンッ」。2コマ目:ハコブくんが岩田さんのすぐ横をすり抜け、岩田さんが「うおっ!?」と驚いてよろける。ディスプレイに「効率的搬送中(キリッ)」の表示。3コマ目:岩田さんが胸に手を当てて「…びっくりした」と息をつく。4コマ目:大城さんがハコブくんに向かって「あとで設定見直しね…」。ハコブくんのディスプレイに「?」。

「正しい」が怖い設計

■ 効率は、人間の身体感覚を知らない ハコブくんが選んだ最短ルートは、システム上は完璧です。衝突しない、遅れない、無駄がない。しかし松葉杖で一歩一歩を確認しながら歩く岩田さんにとって、横をすり抜けるロボットは「計算通りの安全」ではなく「ギリギリの恐怖」でした。パーソナルスペースは数値に現れません。それでも確実に、そこにあります。

■ 「技術的に正しい」と「体験として正しい」はズレる ハコブくんの表示「効率的搬送中(キリッ)」に、悪意はありません。ルールに従っただけです。しかしこのズレこそが、HRI設計における核心的な問題です。人間は物理的な安全だけでなく、「驚かされない」「急かされない」「尊重されている」という感覚を同時に求めます。これらは仕様書に書けない要件です。

■ 結論:余白は、設計できる 大城さんの「あとで設定見直しね…」は、単なる叱責ではありません。パーソナルスペースを数値化し、ロボットの行動に組み込む——それは技術的に可能な問題です。「驚かせない」を設計目標に据えた瞬間、KPIは搬送件数から体験品質へと移行します。効率と安心は、対立しません。設計次第で両立します。