MANGA EP110ハコブくん2026/10/3
不在を隠さない設計(MANGA EP110 表紙) 不在を隠さない設計(MANGA EP110 本編)

不在を隠さない設計

■ 人が抜けた瞬間、ロボットは別の存在になる 遠隔で操縦する人にも、自分の生活がある。宅配のチャイムが鳴れば、誰でも席を立つ。そのときロボットの体は小児科病棟に残り、目の前にはあやとりの途中の子供がいる。操縦者の不在は事故ではなく、日常として必ず起きる。問われるのは、抜けたことを隠すか、示すかである。

■ 人のふりを続ければ、相手はだまされたと感じる 不在のあいだもAIが同じ声と仕草で遊びを続ければ、場はなめらかに見える。だが後で気づいた相手は、楽しかった時間ごと裏切られたと感じる。とくに子供にとって、人とAIの入れ替わりは見抜けない嘘になる。信頼を損なうのは不在そのものではない。いないのに、いるように見せたことだ。

■ 結論:目と声と静止で「いま人はいない」と示す ピカリくんは目を細い線に変え、声をAIのものに切り替え、腕を下ろしてまっすぐ止まった。見た目と声と動きの三つがそろって不在を告げるから、子供は「寝ちゃった?」と受け止め、ハコブくんは待つと決められる。人が戻れば目が灯り、遊びはそのまま続く。正直な状態表示は、相手に待ち方を教える。 人がいないと正直に伝えるロボットだけが、おかえりと迎えてもらえる。