飾ってよい場所を先に示す
■ 現場は、働く機械にこそ飾りを着せたくなる
病棟に長くいるロボットほど、人は季節の飾りを載せたくなります。ハロウィンのかぼちゃ帽子もその延長です。子どもを喜ばせたいという善意であり、機械が職場の一員として受け入れられた証でもあります。この気持ちを止める理由はありません。問題は、飾りがどこに載るかを誰も決めていないことです。
■ 画面とセンサーを覆った瞬間、帽子は目隠しになる
ハコブくんにとって画面は顔であり、同時に前を知る窓でもあります。帽子が少しずれただけで、その窓は塞がれます。見えないまま動けば、回り続けて壁に当たる。子どもには最高の見世物でも、搬送としては失敗です。装飾は見た目の問題に見えて、実は入力の問題です。飾りの位置が、知覚を決める。
■ 結論:禁止より先に、飾ってよい範囲を渡しておく
槙原さんは帽子を取り上げず、窓の部分だけに穴を開けました。飾りは残り、視界も戻る。設計者がすべきなのは装飾の禁止ではなく、ここは塞がないという境界を最初に示すことです。取り付け位置の目印や、覆ってよい範囲の明示は、現場の工夫を安全に受け止める器になります。
飾りたい気持ちは止めなくていい。塞いではいけない場所だけを先に示せ。
