「外装」が担う設計
■ 外装は「信頼の翻訳機」である かわいい目のような画面、丸みを帯びた白いボディ——ハコブくんの外装は、内部で走るアルゴリズムとモーターの集合体を「話しかけたくなる何か」へと変換します。高杉さんが「同僚」として接してきたのは、ハコブくんの能力ではなく、この翻訳が成立していたからです。外装は飾りではなく、HRIの第一言語です。
■ 不気味の谷は、「剥がれた瞬間」に現れる 配線むき出しの金属フレーム、ギョロリと光る光学センサー。それは機能的には何も変わっていないハコブくんです。しかし高杉さんには「別の何か」に見えました。森政弘の言う「不気味の谷」は、外見が人間に近い時だけでなく、親しんだ外装が突然失われた時にも落下します。可愛さへの慣れが深いほど、その落差は大きくなります。
■ 結論:外装設計は、感情の器を作ること 槙原さんの「外装外してるだけですよ」は正確な説明です。しかし高杉さんのトラウマは消えません。ロボットの設計において、外装は「見た目の問題」ではありません。それはユーザーが積み上げた関係性を保護する容器です。メンテナンス手順でさえ、HRIの文脈に置かれた瞬間、設計の問題になります。
