止まる場所も、地図に書く
■ いつもの場所が、火事のときに閉まる扉の真下だった
防火訓練の日、非常ベルが鳴り、廊下の防火戸がゆっくり閉まり始めた。防火戸は、火や煙が広がらないよう廊下を区切る扉だ。その真下で、ハコブくんが充電待ちのまま止まっていた。扉は頭に当たり、閉まりきらない。本人は「イツモノ待機場所デス」と言う。普段に選んだ場所が、非常時の邪魔になっていた。
■ 止まっているロボットは、置かれた物と同じになる
走っているロボットには目が向くが、止まっているロボットは廊下の荷物と変わらない。消防法と火災予防条例では、避難の妨げになる物を置くことや、防火戸が閉まるのを妨げることが禁止されている。待つ・止まる・充電する場所は、走る道筋より見落とされやすい。だが火事のときに道をふさぐのは、たいてい止まっている物のほうだ。
■ 結論:止まってよい場所を、先に決める
寺島さんがハコブくんを押してどかすと、防火戸はバタンと閉まった。白石さんは図面に、止まってよい場所の印を付けていく。防火戸の前と避難口の前には赤い斜線を引いた。走る道を決めるのと同じ重さで、止まる場所を決める。避難の通り道と防火戸の位置から先に外しておけば、ロボットは待っている間も人の邪魔にならない。
ロボットの居場所は、動いていない時間にこそ問われる。