電波は病院と分け合うもの
■ 自分の通信を良くしたら、周りの画面が乱れた
槙原さんは、病棟の奥で通信が途切れる問題を解こうと、ハコブくんに強い無線のアンテナを付けた。狙いは正しい。だがその直後、ナースステーションで、患者さんの心電図を無線で送る機械の画面が一瞬ちらつく。看護師たちが顔を見合わせた。ロボットの通信を強めることは、同じ建物の電波に手を加えることでもある。
■ 病院の電波は、医療機器と分け合っている
病院では、無線が医療機器に影響することがある。心電図などを無線で送る機器は、患者さんを見守る仕組みの一部だ。そのため多くの病院が、どの電波をどこで使うかを管理する体制を持っている。白石さんが「病院の電波の担当に通しました?」と尋ねたのはこのためだ。槙原さんの答えは「…通してません」だった。
■ 結論:電波を足すときは、病院の許可を取る
アンテナを外したハコブくんの横で、白石さんと槙原さんは、病院の電波の担当への申請書を書いている。ロボットの無線を増やしたり強めたりするのは、ロボットの中だけで完結する改良ではない。病院の電波の担当の承認を取ってから使う。その手順を踏めば、ロボットの通信と医療機器の通信を、同じ建物の中で両立させられる。
目に見えない電波にも、病院の中では守るべき順番がある。