ゆっくり走っても、安全とは限らない
■ 安全に走っているのに、人が遅れる
細い廊下で、急ぎの点滴を持った高杉さんの前を、ハコブくんがゆっくり進んでいた。右から抜こうとすると、ハコブくんも右へ寄る。左の壁ぎわには配膳車が止まっていて、後ろについて歩くしかない。廊下の端まで来たところで、高杉さんは言った。安全運転なのは分かるけど、私が遅れてる! ハコブくんは、安全に走っていますと答える。どちらも間違ってはいない。
■ 遅く走るロボットは、後ろの人を止める
オールボー大学の病院のロボットの調査では、ゆっくり動くロボットを追い越す余地がなく、職員の仕事が遅れることが報告されている。ロボットが人の近くで速度を落とすのは、ぶつからないための正しい動きだ。だが廊下が細いと、遅さはそのまま後ろの人の足止めになる。ぶつからないことだけを見ていると、周りの人の時間を奪っていることに気づけない。
■ 結論:追い越してもらう場所と、脇へ寄る動きを用意する
白石さんは、廊下の途中の空いた所に印を付けた。後ろに人が来ると、ハコブくんはそこへ寄って止まり、オ先ニドウゾと譲る。高杉さんの答えは、それが一番安全。走る道だけでなく、譲るための場所も地図に入れておく。後ろの人に気づいたら、自分から脇へ寄る。
安全な動きは、まわりの人が先に行ける動きでもある。