MANGA EP35ハコブくん2026/4/4
第35話 1gの壁 第35話 本編

「できない」を正直に示すデザイン

◼︎仕様書の限界値が、誠実さに変わる瞬間
ペイロード500g。これはツカムくんの仕様書に書かれた数字です。コーヒーカップは501g。ツカムくんはその1gの壁に、静かに止まります。ガタガタと抵抗せず、アームを力なく下げるだけ。この「動かない」という応答こそが、Honest(正直)という設計原則の具体化です。

◼︎1gの差を知らないまま励まし合う2台
ゴメン モテナカッタ。キット ツギハデキルヨ。コーヒーカップが501gで、限界が500gであることを、2台は知りません。読者だけが知っている。それでも次へ向かう。この「知らないまま前を向く」関係性こそが、ロボットを道具ではなく相棒として認識させます。

◼︎結論:精度より、誠実さ
「精度より体験の成立を優先する」——このプロジェクトの設計哲学は、1gの壁に直面したとき本当の意味を持ちます。完璧にこなせないことを正直に示し、すぐに次を探す。その誠実さこそが、ツカムくんを道具から相棒へと変えていきます。