MANGA EP103ハコブくん2026/10/10
「だいたい」を許容範囲で書く(MANGA EP103 表紙) 「だいたい」を許容範囲で書く(MANGA EP103 本編)

「だいたい」を許容範囲で書く

■ 同じ「50g」でも、食材によって意味が変わる ポテトサラダは量を細かく調整できるので、「50g」はそのまま実行できる指示になる。唐揚げは違う。1個ずつ大きさが異なり、1個では32g、2個では68gになる。50gちょうどという答えが、食材の側に存在しない。指示の数字が同じでも、相手にする物の性質によって、実行できるかどうかが変わる。

■ 人は黙って読み替え、機械は書かれた値を探す 人は「唐揚げ50g」と言われれば、自然に「だいたい2個」と受け取る。そこには、多少外れても困らない幅の了解が含まれている。機械にはその了解がない。書かれた50gを探し続け、乗せては降ろしを繰り返して止まる。指示に書かれていない常識は、機械にとって存在しない条件だ。

■ 結論:基準は、個数と幅で判定できる形で書く 夜勤スタッフが書き換えた指示は「2個、45gから70gならよい」だった。数える単位と許してよい幅を先に書いたことで、機械は迷わず判定できるようになった。品質基準とは、理想の値を一つ示すことではない。どこまでなら合格かを、機械が確かめられる言葉で決めておくことだ。 ちょうどいい量とは、一つの数字ではなく、黙って許してきた幅のことだ。