止まる機械が夜を回す
■ 大半は同じ動きで降ろせる、だが例外は必ず混じる コンテナの荷降ろしでは、ほとんどの箱が同じ手順で片づきます。ツカムくんも深夜の倉庫で、一人で箱を運び続けていました。けれど奥の荷が崩れ、斜めに重なった箱が現れます。形の違う荷や崩れた荷は、一部に必ず混じります。例外はなくならない。前提として織り込むものだ。
■ 無理に続けず、止まって呼ぶことが設計になる 崩れた箱を前に、ツカムくんはアームを止め、無理に引き抜かずに引っ込めました。そして表示をHELPに切り替え、遠くの事務所にいるオペレーターを呼びます。オペレーターは画面越しにアームを操作し、箱を一つずつ立て直します。機械が自分で扱えない状況を見分け、手を止めて人に渡すこと。それが例外処理の要だ。
■ 結論:人を置かないのではなく、遠くに置く 朝の記録では、呼ばれたのは一晩で2回だけでした。残りはすべてツカムくんが一人で降ろしています。止まる判断があるからこそ、任せられる範囲が広がる。例外を人に渡す経路があるから、夜間の現場に人を置かずに作業が回ります。自動化の成否は、できることの多さより、できないときの振る舞いで決まります。 できないと正直に止まれる機械にだけ、人は無人の夜を任せられる。
