夜のエレベーターが問うもの
■ 昼の自律は、通りがかる人の手に支えられていた 深夜、ハコブくんは3階のエレベーター前で止まったまま動けなくなりました。昼間は、通りがかった誰かがいつもボタンを押してくれていたからです。原因は故障ではありません。これまで動けていた理由の一部が、人の手にあったのです。自律して見える動きの一部は、周りの人が補っていた。
■ 足りない能力は、本体でなく建物の側で補える 槙原さんが選んだのは、腕をつけることではありませんでした。エレベーターとハコブくんを無線でつなぎ、近づくだけでエレベーターの方から迎えに来るようにしたのです。人の動作を真似させるより、設備と直接やりとりさせる方が早い。足りない能力は、本体ではなく建物の側で埋められる。
■ 結論:夜に動けるかは、設備とのつながりで決まる 人のいない夜にロボットを動かせるかは、単体の性能より、エレベーターや自動ドアとつながっているかで決まります。昼間にうまく動いているときほど、誰の手がどこを補っているのかは見えにくいものです。人が減る時間帯を想定し、その手の代わりを設備の側に用意しておく必要があります。 押してくれる誰かがいない夜に、ロボットの本当の設計が問われる。
