止まったあとは荷物で決める
■ 夜の無人運用で、ロボットは必ずどこかで止まる 夜10時、病棟へ続く渡り廊下の自動ドアが、夜間の設定で閉まったままになっていた。ハコブくんはその前で「開クマデ、待チマス」と言い、そのまま待ち続けた。止まったこと自体は失敗ではない。問題は、待ってよいかどうかの判断が、ロボット自身の状態だけで下されていたことだ。
■ 待ってよいかは、荷物の中身と期限で決まる 引き出しの上には明日使うリネン、下には今夜の点滴が入っていた。リネンなら朝まで待てるが、点滴は待てない。同じ停止でも、積んでいる物で意味がまるで変わる。だから止まったときの扱いは、ロボットの状態ではなく荷物の側から決める。複数の物を一緒に運ぶなら、いちばん期限の短い物に合わせる。
■ 結論:誰をいつ呼ぶかは、積む前に決めておく 大城さんが点滴を取り出せたのは、探しに来たからにすぎない。翌日、白石さんは「薬が一つでも入っていたら、止まったらすぐ人を呼ぶ」と決めた。停止を例外として扱わず、起きる前提で設計する。呼ぶ相手と時機を荷物の中身から先に決めておけば、止まることは事故ではなく手順になる。 止まらない工夫より先に、止まったとき誰が困るかを決めておく。
