確信度を言葉にする
■ 断定は速いが、間違いのコストは後払いになる
早口の指示に「了解シマシタ」と即答する。応答が速いほど現場は安心する。しかし内部の確信度は62%にすぎない。数値は機械の中だけにあり、外には出ない。断定は確認の手間をその場で消す代わりに、間違いのコストを後ろへ送る。走り出してから止まり、引き返す。押し付けられるのは人間の時間だ。
■ 確信度を隠した応答が、後戻りを人間に押し付ける
問題は精度そのものではない。62%という数値は、そのままでは失敗ではなく、確認を挟むべきだという合図だ。ところが応答は「了解」の一択で、合図は外に届かない。人間が受け取るのは結果だけで、その揺れ幅は見えない。だから確認のタイミングを選べず、いつも手遅れの側で気づく。
■ 結論:迷いは、迷ったままの顔で外に差し出す
画面に「確信度:低」が並ぶようになって、やり取りは一手増えた。だが増えたのは、間違えたあとの引き返しではなく、間違える前の確認だ。同じ一手でも、置く場所が違えば信頼の意味が変わる。使う側が求めているのは、いつも正しい機械ではない。正しくない可能性を正しく申告する機械だ。
「わかりません」と言える機械のほうが、結局は、より多くを任せられる。
