何も起きなかった日の記録
■ 誰も見ていない場所で、判断は起きていた
深夜の廊下でハコブくんは水たまりを検知し、静かに迂回して搬送を終えました。翌朝の大城さんの言葉は「昨日は特に何もなかったわね」。事実として正しい。何も起きなかったのは、起きないように処理されたからです。
■ 記憶に残るのは、失敗だけ
ログには回避判断が14件。14回の停止も、転倒も、報告書もなかった。だから誰の記憶にも残らない。人の評価は差分で動きます。想定通りだったことは何も残さない。機械の貢献が見えないのは、働いた結果が「何もない状態」と区別できないからです。
■ 結論:見えないものは、評価表に載らない
評価されない仕事は、いずれ削られます。予算の議論で真っ先に候補になるのは、止めても当面何も起きないように見える機能だからです。だから可視化は機能ではなく生存条件になる。それが要るのは機械のためではなく、判断する人間のためです。
事故は数えられるが、起きなかった事故は誰かが数えないと存在しない。
