MANGA EP67ハコブくん2026/9/6
譲り合いが渋滞になる(MANGA EP67 表紙) 譲り合いが渋滞になる(MANGA EP67 本編)

譲り合いが渋滞になる

■ 一台では正しかった設計が、二台になると詰まる
相手を優先して停止する。単体で見れば安全で丁寧な設計です。ハコブくんも清掃ロボも、その原則を忠実に守っています。ところが狭い曲がり角で正面から出会うと、双方が同時に下がり、同時に前へ出る。譲り合いはループになり、廊下は止まります。片方だけを見て評価した設計が、二台目の登場で破綻するのです。

■ そもそも相手の意図を知る手段が用意されていない
人間の譲り合いは、視線や小さな会釈で決着します。先に行くのは誰かを、その場で短く交渉している。ロボット同士には、その層がありません。メーカーが違えば通信規約も共有されず、互いの状態は観測できない。ハコブくんが見ているのは障害物であって、同じ判断をしている相手ではないのです。

■ 結論:調停は一台ずつではなく環境側の仕事
最後に詰まりを解いたのは、手で清掃ロボを脇へ寄せた大城さんでした。人間が毎回調停者として呼ばれる状態は、設計の欠落を人手で埋めているにすぎません。優先順位を決める層を、機体の外側に置く。丁寧さは、それを裁く仕組みがあってはじめて機能します。
丁寧に譲る設計は、譲られた側がそれを知って、はじめて前へ進む。